蟹退治日記 (神経内分泌がん治療記)

ドイツでの神経内分泌がん治療の日々を通して見たこと聞いたこと考えたことを綴っていきます。

退院の日

  • 手術から14日目。

退院の日。検査入院を含めると入院してから17日目。すでに12月初旬になっていた。

 

今まで長らくスウェットの上下で入院生活を過ごしてきたが、この日久しぶりにジーンズに履き替えた。フロント部のボタンを下から留めていくと途中できつくなり、一番上のボタンが留められない。私が太ったわけでは無い。腹部にあるストーマ人工肛門)のパウチ(袋)のせいだ。もう一回りサイズの大きなジーンズを買わなくては。

 

お昼前に妻が迎えに来た。同室のBさんに別れを告げ、それからナースステーションへ。看護婦さん達や婦長さんに礼を述べ、ハグを交わす。ちょっとしんみりするが、また一週間後にはシンチグラム検査でここに来ることになっている。だから「また来週!」と元気に別れる。

 

病院の外に出ると、ちらほらと雪が舞っていた。初雪だ。いつの間にか外はすっかり冬らしくなっていた。

 

家に着くと飼い犬のモナとエミーが飛んで来た。生後半年のエミーは弾丸の勢いで飛びついてくる。こっちは手術後の腹部を傷めないよう防戦に必死だ。もうじき3歳のモナは私が病み上がりなのを察したのか、飛びついたりはせず、私の足元でお腹を見せてくんくん鳴いている。どんな表現でも犬達が喜んでいるのはよく分かる。私もとても嬉しい。

 

午後には子供達も学校から帰ってきて、久々に家族揃ってご飯を食べた。妻のチキンスープはお米が沢山入っているのが特色で、私の好きな料理の一つだが、この日のものは特に素晴らしい出来だった。家族でわいわい言いながら食べる美味しさも多分にあったとは思うけれど。