蟹退治日記 (神経内分泌がん治療記)

ドイツでの神経内分泌がん治療の日々を通して見たこと聞いたこと考えたことを綴っていきます。

ストーマについて

注:シモの話です。自己責任でどうぞ。

 

ストーマ人工肛門)を造設してから2か月になる。ストーマとの暮らしにだいぶ慣れてきたものの、やはり手間はかかる。私のような回腸ストーマだと便は大腸の手前で出てくるので、水分が絞り切れていない水様・泥状の便となる。お腹についたパウチ(便をためる袋)は数時間でいっぱいになり、一日に6-7回はトイレに行くはめになる。

 

ストーマ装具としては、まず面板というのをストーマ周囲の腹部に貼り付けて、そこにパウチを固定する。この面板はがっちりとお腹に粘着するので(これが緩かったら便が漏れて大参事だから当然なのだが)、私としては一日中気になってしょうがない。そして、常に面板が粘着している部位の皮膚はただれたりもするので、なかなかに厄介だ。

 

服装だってちょっと困る。パウチが邪魔で体にフィットした服が着れない。

 

まあ、このような問題はあるものの、ストーマ保有者になってみて、私のストーマについての認識は変わった。以前はストーマにすると普通の生活は送れなくなると考え、そうなることを非常に恐れた。しかし、実際にはストーマは頻便の辛さや失禁の恐怖に直面している人を救ってくれる。トイレの支配から解放され、心配せずに外出できるようになるのだから。つまりストーマは普通の生活を送る助けになるのだ。

 

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私のストーマは暫定的なもので近いうちに閉じる予定であるが、何かの事情で永久的ストーマになることがあったとしても、以前のように絶望することは無いだろう。

 

手術前に私がストーマについて心配していた事と、その実際を書いておく。

ストーマを予定している人の参考になれば嬉しい。

  • 臭い

パウチには消臭剤がついているので臭いが漏れ出る事は無い。ただし毎日パウチを交換する必要はある。

ストーマは腸であり括約筋が無い。そのため便もガスもところ構わず出る。ガスが出るとおならとして周囲にも聞こえるという人もいるが、自分のものを聞く限りでは、お腹がごろごろいう音が大きくなった程度である。ガスはパウチに出て臭いもしないので、心配せずとも大丈夫。

  • シャワー・風呂

ストーマ装具は防水加工されているのでシャワーを浴びても問題は無い。まだ湯船につかった事はないが、ネットで見る限り、注意すればなんとかなるようだ。

今のところ全く問題無し。ただし、満員電車や肉体労働だとリスクはあるかもしれぬ。

 

以上