蟹退治日記 (神経内分泌がん治療記)

ドイツでの神経内分泌がん治療の日々を通して見たこと聞いたこと考えたことを綴っていきます。

自覚症状

今年の4月に帰省先で気管支炎にかかってしまった。

そして、うんざりするほどの抗生物質を飲むはめになり、副作用として下痢に見舞われた。気管支炎は2週間ほどで落ち着いたが下痢はなかなかおさまらない。5月の半ばには便に血が混じるようになってきた。いわゆる下血だ。

 

昔、潰瘍性大腸炎という病気にかかっていた事があり、なかなかに厄介な病気なのだが、症状が重くなると下血はしょっちゅう起こった。

 

そのため、血で染まった便器を見ても割と冷静に、「ああ、大腸炎が再発したな、弱ったな」なんて考えていた。

 

そしてドイツの主治医にかかったのだが、その際に私は「大腸炎の再発だと思います」と医者に伝えた。結果的にこれが医者をミスリードする結果となってしまった気がする。医者は腸の炎症を抑える薬をくれたのだが、一向によくならない。医者に説明しても、効果が出るにはもう少し時間がかかるから薬を飲み続けてくれと言われるだけだ。

 

そうこうしているうちに6月になり、症状は悪化しつつあった。下血の回数は増え、排便時に違和感を感じるようになってきた。何かが肛門の手前でつかえている感じ。これは痔か何かなんだろうか?。長らく座っていると、お尻に痛みを感じる。

 

そこでようやく大腸内視鏡検査を手配しようと医者が言ってきた。彼は町医者で内視鏡設備なんて持っていない。彼が書いた紹介状を持って、街の大きな病院に検査しにいくのだ。

 

まずは電話で予約を入れる。既に予約でいっぱいで、検査ができるのは早くて7月下旬だという。一か月以上も待たねばならないのだが仕方がない。それで日程を決めた。

 

良好とは言いかねる体調ではあったが、6月、7月にはいくつかの出張をこなした。7月半ばには日本出張にも行ったくらいだ。東京で懐かしい友人達とサンマー麵を食べ、ソムタムをつまみ、ビールを飲んだ。

 

それが最後に飲んだビールだ。