蟹退治日記 (神経内分泌がん治療記)

ドイツでの神経内分泌がん治療の日々を通して見たこと聞いたこと考えたことを綴っていきます。

まさかの第二章

4月に入ってすぐ、肝臓に二つの癌が見つかりました。直腸癌からの転移です。

 

去年11月の直腸癌手術の際に肝転移が見つかり速やかに切除されました。術後すぐのMRI,CT検査ではどこにも癌は見つからなかったので一安心していたのですが、あっという間にまた出てきました。こんなに早くこの治療記の第二章を始めることになるとは、びっくりというかがっかりというか。

 

前回の手術で肝転移が見つかった時点で今後の再発・転移はある程度覚悟していましたが、それにしても早すぎる。医者によると肝臓で見つかった癌の成長スピードはかなり速く、どちらも直径5センチ程度まで大きくなっているとの事。切除するにはサイズが大きいし、画像診断で見えない小さな癌がまだどこかに隠れているかもしれないので、ここは抗がん剤で癌の勢いを弱めるのが先決だと言われました。

 

というわけで4月から抗がん剤を始めました。6か月間の予定です。

まあ結構やばい状況で、もしかたら早々に死んでしまうのではという恐怖もありますが、なんだかんだでどうにかなるんじゃないかという気持ちの方が今のところは大きいです。(余命宣告を受けたわけでは無いですし。)

 

というのも、術後以来少しずつ体が回復しつつある事を実感しているからです。食欲はちゃんとあります。体力も戻りつつあり、3月に復帰した仕事もペースが上がってきました。いまだに排便障害には悩まされていてトイレの回数は多いのですが、排便時の辛さは和らぎつつあります。こんなふうに体調が上向きつつあるのに死ぬなんてことがあるか、と思うわけです。体調が良くなれば治癒力も上がり、癌も勢いを失うでしょうからね。

 

それは単なる期待やら思い込みかもしれませんが、その思い込みの力を利用してでも生き延びたいものです。実際のところやれることは限られていますし、どうせやるなら泣いてやるよりは笑ってやった方がいいでしょう。

 

どうも生きるだの死ぬだのと文字にすると重くなってしまいますが、私は至って落ち着いて日常を生きているのでご心配なく。というわけで、これからまた治療の日々について書いていきますので、よろしくお願いします。