蟹退治日記 (神経内分泌がん治療記)

ドイツでの神経内分泌がん治療の日々を通して見たこと聞いたこと考えたことを綴っていきます。

2014-01-01から1年間の記事一覧

ブロンド娘がやってきた

7月の下旬。私が大腸内視鏡検査を受ける3日前の話なのだが、ブロンド娘が我が家にやってきた。 仔犬のエミー。 我が家には先住犬がおり、その名をモナという。同じ母犬から生まれた、同じ犬種にも関わらず、モナとエミーでは見た目も性格もかなり違っていて…

男たちの沈黙

検査入院三日目。いよいよ最終日。 これまでは気楽な一人部屋状態だったのだが、午前二時に私の部屋に患者が担ぎ込まれてきた。20歳半ばのドイツ人青年。看護婦さんが彼の脈を撮ったり、点滴をセットしたりと慌ただしい中、その新入りとは軽く挨拶だけ交わし…

ちょっとだけよ

検査入院二日目。 今日の検査プログラムはMRIと超音波内視鏡。 まずはMRI検査から。検査台に横になると、技師の若い女性から説明がある。 MRIは音がうるさいが落ち着いて。体が熱くなるがパニックにならないように。 何かあったら声を出してください。隣の部…

さくらさくら

検査入院初日。朝9時に病院に到着し、入院棟へ。 「二人部屋に、今のところあなた一人だけですよ。ついてますね」と看護婦さん。 今日の検査プログラムは採血、超音波、CTとの事。採血はあっさり終わったが、超音波とCTはいつ呼び出されるか分からない。だか…

戸惑い

ドラマだと癌の告知の場面では悲しげな音楽が被さるか衝撃的な効果音が鳴るものだが、現実は拍子抜けするくらい淡々としたものだ。告知を受けて私と妻は顔を見合わせた。おそらくどちらの顔にも戸惑いが浮かんでいただろう。 医者は、私と妻の反応を注意深く…

告知の日

7月下旬の火曜日。大腸内視鏡検査の日。 検査前日と当日早朝(5時)に下剤1リットルづつ飲み、腸をからっぽにした。空腹と寝不足の有難くないコンボであったが、爽やかな晴天のおかげで気分はそう悪くなかった。ドイツの夏は素晴らしい。 妻に病院まで送っ…

自覚症状

今年の4月に帰省先で気管支炎にかかってしまった。 そして、うんざりするほどの抗生物質を飲むはめになり、副作用として下痢に見舞われた。気管支炎は2週間ほどで落ち着いたが下痢はなかなかおさまらない。5月の半ばには便に血が混じるようになってきた。い…

はじめに

今年の7月の下旬に大腸癌と診断されました。 あいにく初期段階は過ぎており、治療にはそれなりに時間がかかりそうです。 現在は仕事を休んで放射線治療および化学治療を受けているところ。 そんな中、気晴らしにブログでも書こうという気になりました。この…