蟹退治日記 (神経内分泌がん治療記)

ドイツでの神経内分泌がん治療の日々を通して見たこと聞いたこと考えたことを綴っていきます。

チューブ

  • 入院四日目

お腹から出ているドレナージのチューブを抜いてくれるよう看護婦さんに交渉した。それが痛みの元凶と考えての事だ。看護婦さんが医者を連れてきて、医者はドレナージの様子から抜いても良いと判断してくれた。

 

抜くときは痛いだろうなあと思ってドキドキしながら歯を食いしばっていたが、痛みはそれほどでもなかった。チューブが抜けると同時に、ぷすーっとお腹から空気が抜ける音がしておかしかった。風船みたいだ。

 

ほらね、って感じで看護婦さんが抜いたチューブの先を見せてくれる。長い。5cmほどお腹の中に入っていたようだ。体を動かすとえぐるような痛みがあったのは、このチューブが内臓をぐりぐりとかき回したからだろう。

 

たかだか5cmのチューブでお腹をかき回されてあんなに痛むのであれば、切腹だとどれくらい痛むのだろうと考えた。恐ろしい死に方だ。そして、恐ろしくマッチョな死に方だ。マッチョマンにとってはああいう死に方がロマンなのだろうが、私は結構。

 

これはマッチョメマン。マッチョメ、マッチョメ!

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チューブが抜けると立てるようになった。軽い散歩なら大丈夫そうだ。手術跡の痛みはあるが、痛み止めを飲んでおけば我慢できるレベル。これでトイレにも行ける。

 

夕方に空腹をこらえてお茶を飲んでいると、お腹がゴロゴロ言い出した。これはいよいよ来るかと待ち構えていたが、なかなか来ない。夜になってようやく、ぷすっ、と控えめなおならが出た。これは良い便り。明日からスープくらいは食べられるかな、と考えるとさらにお腹がすいて、その晩はなかなか寝付けなかった。