蟹退治日記 (神経内分泌がん治療記)

ドイツでの神経内分泌がん治療の日々を通して見たこと聞いたこと考えたことを綴っていきます。

前進

九月初旬に超音波、CT、MRIなどの検査を行った。抗がん剤の効果を見るためだ。検査結果を待っていたら、MRIで撮り忘れがあったとの事で再検査。なんだかんだで九月も中旬になってから、ようやく検査結果が出た。

 

抗がん剤カルボプラチン+エトポシド)がうまく効いてくれたようだ。今年の三月に肝臓に二つの癌が見つかった時点では、どちらも直径5㎝程度の大きさになっていた。医者はそれを「プラムぐらいの大きさ」と説明していた。それが今では、どちらの癌も直径2㎝まで縮小しているとの事だった。やったぜベイビー。

 

六月の中間検査結果も良好だったし、トイレ問題を除けば体調も上々なので、良い結果が出ることを予期してはいたが、実際に医者の口から伝えられると安堵の溜息が漏れた。胸の奥深くから出てくるような溜息だった。

 

癌も小さくなったので、次はいよいよ切除手術となる。そのための抗がん剤だったのだ。昨年、私の直腸癌手術を執刀したM女医と久しぶりに面談し、手術についての説明を受ける。今回も開腹手術となるのだが、入院期間は一週間ちょっとで済みそうだ。おそらく十月最初の週末には手術も無事に終わっていることだろう。

 

正直言えば、手術後の痛みやら、カテーテルやら、抜糸やら、考えただけでうんざりするのだが、それは数日間辛抱すれば済むことではある。それで将来を手に入れることが出来るのならば安いものだろう。にっこり笑って手術に臨む事にしよう。

 

ところで、医者から「プラム大」という言葉を聞いて以来、プラムを見ると自分の肝臓にある癌の事を考えてしまう事になってしまった。こんな大きなものが二つも肝臓にあるのかと思うとやはりいい気持ちはしなかった。プラムに罪は無いけれど。

 

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